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小選挙区制を廃止し、比例代表制的な選挙制度に

5月23日、衆議院の政治倫理の確立・公職選挙法改正特別委員会で衆院の選挙制度について参考人質疑が行なわれました。そのなかで五十嵐仁氏(法政大学大原社会問題研究所)は、小選挙区制の害悪について詳しく話され、比例定数を削減する案を「民意を切る改悪」だと批判しました。民主的な選挙制度がない限り、議会制民主主義は絵に描いた餅です。国民の命と暮らしを守る政治を実現するには、小選挙区制を廃止し、比例代表制を主体とする選挙制度に変えていく必要があると思います。(MITURU)
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 衆院政治倫理の確立・公職選挙法改正特別委員会(23日)で法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授が行った意見陳述を紹介します。

 1993年に本を書いて小選挙区制を批判し、連用制の問題点も指摘しました。小選挙区制に問題があることはこのときから明りょうでした。過ちを改めるには今が絶好のチャンスだと思います。
 小選挙区制は最悪の選挙制度であり、ぜひ廃止してもらいたい。
 小選挙区の制度的欠陥は第一に、多数と少数が逆転するからくりが仕組まれていることです。イギリスでは1951年と1974年の2度、総得票数と議席数が逆転しています。民主主義を口にするなら認めてはなりません。
 第二は、少数(の得票)が多数(の議席)に読み替えられるという問題です。2009年総選挙で、民主党は47%の得票率で74%の議席を得ています。
 第三に、多くの死票が出て選挙結果に生かされません。09年総選挙では、46%が死票になっています。
 第四に、「過剰勝利」と「過剰敗北」によって選挙の結果が激変します。
 第五に、政党規模に対して中立ではなく、小政党に不利になります。このように、小選挙区制は人為的に民意をゆがめる根本的な欠陥をもっています。
 実際にどのような問題が生じてきたか。
 政権の選択肢が事実上二つしか存在しません。小選挙区で当選するための「選挙互助会」的な政党ができました。「風向き」によって短期間で多数政党が交代します。二大政党の間の有権者を奪い合うために相互の政策が似通ってくる。地域や民意とも離れ、議員の質も低下しています。
 制度改革についての議論では、連用制が提案されています。しかも、頑張ってほしいと有権者が小選挙区で票を投ずるほど、比例代表では減ってしまいます。民意がゆがめられ「正当に選挙された国会における代表者」という憲法前文に反する可能性があります。
 比例定数の削減案も出ていますが、日本の国会議員は国際的に見ても多くない。現在より少なくするのは反対です。身を切る改革と言われていますが実際は民意を切る改悪です。比例定数の削減は小選挙区の比率を高め、問題点や害悪を増大させるだけでしょう。
 小選挙区の「0増5減」案は当面の緊急避難であり、人口移動が続けばいずれまた是正が必要になります。抜本的改革を先延ばしする口実であってはなりません。
 民意の反映か集約かという論争も以前からありました。選挙は民意を議会に反映するためのもので、その民意を討論によって一つの方向に集約していくのが国会の役割です。議会で民意を集約するべき議員自身が選挙での集約などと言うのは自己否定にほかなりません。
 今日、「政治改革神話」が崩れ、見直しの議論がされているのは歓迎すべきことです。小選挙区制を廃止して比例代表制的な選挙制度に変えることで、より民主的で本当に国民の願いが国会に反映されるような選挙制度に改革していただきたいと思います。
(2012年5月26日「しんぶん赤旗」記事より)

高速ツアーバス重大事故に関して、自交総連が「見解と要求」を発表

 関越道の高速ツアーバス重大事故に関して、自交総連が5月8日、「見解と要求」を発表しました。自交総連は、タクシー・ハイヤー、自動車教習所、観光バス労働者を組織する労働組合です。
 「見解と要求」では、「貸切バス事業は2000年に規制緩和されて以降、99年度から09年度にかけて、事業者数は2336が4392に88%も増える一方、営業収入は5434億円が4474億円に減少している。大量の新規参入による過当競争、安売り競争が激化し、運転者には長時間で過酷な勤務と低賃金が押し付けられ、バス運転者(乗合含む)の年間賃金は538万円から386万円に28%も低下している。」「規制緩和以降、旅行業者が貸切バスを活用して高速道路を経由する2地点間の移動を目的とする募集企画旅行を販売する「高速ツアーバス」といわれる形態が急速に拡大した。高速ツアーバスは、道路運送法にもとづく乗合バスの規制が適用されず、安全性など様々な問題が指摘されていたものであり、今回、事故を起こしたのも、この高速ツアーバスである。」「自交総連は、規制緩和が強行される以前からその危険性を指摘し、過当競争が運転者の労働条件を低下させ、いずれ重大な事故がおきかねないことを再三にわたり指摘してきた。にもかかわらず、あずみ野観光バス事故に続き、再び多くの人命が奪われる重大な事故が起きたことは誠に残念であり、対策が後手となり、的確な対応となっていなかったという点で国土交通省はじめ行政当局、政府の責任はまぬがれない」と告発し、運転労働者の労働条件を改善し、安全運転で生活できる賃金・労働時間を保障すること、政府が交通運輸事業の規制緩和策を検証し、必要な規制の強化をはかることを求めています。
 私のブログの中央メーデーの記事のなかで「競争至上主義で、労働者の賃下げと長時間・過密労働が横行するなかで、さまざまな弊害と生命の危険が生じています。労働者の生活と権利を守ることは、国民の命と暮らしを守ることと直結する問題になっています」と書きましたが、改めてこのことを述べて警鐘を鳴らしたいと思います。

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2012年国民平和大行進スタート

 5月6日、東京・夢の島公園の第五福竜丸展示館前で、2012年国民平和大行進出発集会が開かれ、900人が参加しました。国民平和大行進は、全国で11の幹線コース〔北海道→東京(4コース)、東京→広島、富山→広島、和歌山→広島、四国→広島、長崎→広島、宮崎→広島、沖縄→広島〕と、幹線コースに入らない自治体を回る網の目行進がおこなわれます。共通スローガンは、
 ◇核兵器の全面禁止を求めてともに歩こう!
 ◇秋の国連総会へ核兵器禁止の声をとどけよう!
 ◇非核三原則を守ろう!核も基地もない非核平和の日本を実現しよう!
 ◇放射線被害の根絶、原発ゼロ、自然エネルギーへの転換を!
 ◇ノーモア・ヒロシマ!ノーモア・ナガサキ!ノーモア・ヒバクシャ!
   広島・長崎の被爆者、世界の核被害者と連帯しよう!
 ◇原水爆禁止2012年世界大会を成功させよう!
 開会集会では、被爆者の方、宗教者、日本青年団協議会の代表、東京地評(労働組合)代表、青年Ring! Link! ZERO の代表からのお話しと、電話の音声で岡山「Peace Piece Okayama(PPO)」の代表からのお話が聞けました。13時に夢の島公園を出発した行進の参加者は1000人を超えて、途中、通り雨にあいながら、17時30分に終着点である港区芝公園「平和の灯」前に到着しました。7日は、この場所を9時に出発して川崎市役所まで行進がおこなわれます。
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タグ:平和行進

地球の上に生きる2012 DAYS JAPAN 写真展

 今日、新宿のコニカミノルタプラザで開催中のDAYS JAPAN フォトジャーナリズム写真展を観に行きました。
 コニカミノルタプラザが入っている新宿高野ビルは、フルーツの高野がメインのビルで、5階がタカノフルーツパーラー新宿本店になっています。写真展をおこなっているギャラリーは、このビルの4階です。
 写真展は、3部構成になっていて、ギャラリーCで「第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」の受賞作品約60点が展示され、ギャラリーBで「アニマルワールド」と題して野生の動物たちの迫真の写真、同じギャラリーBの奥で、広河隆一氏の「新・人間の戦場」から15作品が展示されています。
 「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」の作品は、DAYS JAPAN 5月号に掲載されたものを見ていましたが、展示されていた大きな写真はたいへん迫力があって、写真を撮られた場所の空気が伝わってくるように思いました。
 広河氏の「新・人間の戦場」は、初めて見る写真でした。戦場には軍人と住民がおりなす非日常的な場面があり、それが長期に続いて日常になってしまっているパレスチナの現実がありました。私がその場でメモした全作品です。
 1)2002年・パレスチナ西岸地区(アラム検問所)、2)1982年・レバノン(イスラエル戦車の砲撃)、3)1982年・ベイルート・レバノン(肉親を殺されたパレスチナ人女性たち)、4)1984年・ベイルート沖・レバノン(レバノン左派による自爆攻撃で200人以上殺され撤退する米海兵隊)、5)2002年・パレスチナ西岸地区(トゥルカレム難民キャンプの男たち)、6)2002年・パレスチナ西岸地区(カランディア検問所で通行拒否されるパレスチナ人女性)、7)2002年・パレスチナ西岸地区(パレスチナ武装勢力メンバーが狙撃されて死んだ)、8)2002年・エルサレム・イスラエル(パレスチナ人による自爆攻撃後、恐怖が覚めないユダヤ人の親子)、9)2002年・パレスチナ西岸地区(パレスチナ難民キャンプを捜索するイスラエル兵)、10)2002年・パレスチナ西岸地区(イスラエル軍の捜索を遠くから見るパレスチナ人親子)、11)2002年・パレスチナ西岸地区(外出禁止令が敷かたベツレヘムで様子を見に家から出てきた親子)、12)2002年・パレスチナ西岸地区(ジェニン難民キャンプのオマル氏)、13)2011年・福島第一原発(水素爆発を起こした4号機・3号機)、14)2012年・福島第一原発(使用済核燃料が危険な状態にある4号機・上空から撮影)、15)2012年・福島第一原発(4号機・3号機・2号機・上空から撮影) 以上です。いずれも、緊張感にあふれ、目を釘付けにされる作品でした。20120505.jpg
 写真展「地球の上に生きる2012」は、新宿・コニカミノルタプラザで、5月21日まで開催されています。是非一度足を運んでみて下さい。
【特別企画展案内文から引用】DAYS JAPAN
私たちが真実に向き合ったとき、はじめて進むべき未来が見えてくる。
「真のフォトジャーナリズム」を望む多くの人々に支えられて、今年、第8回目を迎えた「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」
今回の受賞作品には東日本大震災をはじめとして、世界各地で立ち上がった市民たちの闘い、また、未だ解決されずにいる児童労働問題や難民・環境問題などが取り上げられています。
困難な時代を生きる子どもたちにまっすぐ向き合うために。
真実を伝える一枚の写真が、私たちの未来を変えていきます。

5・3 憲法記念日の集い

 憲法記念日の5月3日、「千葉市文化センター」で憲法記念日の集いが開かれ、400人が参加しました。
 主催は、千葉県憲法会議、憲法改悪反対千葉県共同センターです。
 開会あいさつで高橋勲弁護士は、東日本大震災と福島第一原発事故後の政治のなかで憲法とかけ離れた現実が顕わになっていることを指摘し、憲法改憲を阻止し、憲法を活かす=「活憲」の運動をすすめようと呼びかけました。
 続いて、千葉合唱団のみなさんによる合唱で、「陽のあたる道」「花祭り」「アリラン」「あきらめないで(長崎平和宣言より)」の4曲が演奏されました。
 記念講演は、三宅明正さん(千葉大学教授)が、「世界の動きの中で読む日本国憲法 くらし・人権・民主主義」と題しておこないました。最近の動きで、4月25日、福島県双葉町長の井戸川克隆さんが、参議院憲法審査会のなかで、憲法第13条の幸福追求権、第25条の生存権が双葉町の住民に対してはまったく守られていないと発言したこと、4月27日、自民党が新たに日本国憲法改正草案を発表したことに触れました。そして国の為政者が人々のくらしや生命を守ることに情熱を持っているとは思えないと述べました。次に、世界の変動の中で、歴史教科書批判がフランス、イギリス、ドイツなどでも起きるなど不安定化とナショナリズムへの回帰が見られること、その一方で人権については、グローバル化のプラス面があらわれていることを紹介しました。こうした問題をさまざまに重ね合わせながら議論と対話をしていく必要があること、政治的な共同体を作り直す課題と正統性(日本国憲法とその理念)、日本が世界に遅れている教育条件の問題などを考えていく必要があることなどを話されました。
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タグ:憲法

第83回中央メーデー ~国民生活の危機打開を!

 5月1日、代々木公園で「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」をスローガンに第83回中央メーデー式典が開かれ、2万1000人が参加しました。
 野田政権が、多くの国民の反対を押し切って、消費税増税を強行しようとするなかで、今年のメーデーは、労働者、自営業者、農民の連帯をいっそう強くするものになりました。
 4月29日の早朝に関越自動車道で起きたバス激突の大惨事は、2000年、自公政権と民主党の賛成で、道路運送法が改悪され、規制緩和によって過当競争が煽られたことが背景にあります。
 競争至上主義で、労働者の賃下げと長時間・過密労働が横行するなかで、さまざまな弊害と生命の危険が生じています。労働者の生活と権利を守ることは、国民の命と暮らしを守ることと直結する問題になっています。
 また、TPP交渉参加で日本の農業が大打撃を受ければ、食糧自給率が下がり、食の安全が脅かされることになります。それは国民生活と国のあり方にかかわる大問題です。関税によって自国の農業を守ることは主権国家として当然のことです。
 野田政権の国民犠牲の政治、大企業とアメリカの利益優先の政治を止めるために、今年のメーデーが跳躍台になることを期待しています。
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タグ:メーデー

沖縄と結び、日米安保と日本の進路を考えるつどい(2)

 「沖縄と結び、日米安保と日本の進路を考えるつどい(1)」のつづきです。
 伊波洋一さんの講演に続いて、弁護士で日本平和委員会代表理事である内藤功さんが、「基地撤去・安保廃棄と砂川違憲判決の意義」を特別報告されました。
 砂川事件は、1957年7月、当時の砂川町にあった米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地に立ち入り、同年9月に23人が日米安保条約に基づく刑事特別法違反容疑で逮捕され、うち7人が起訴されたものです。1959年3月30日、東京地裁は米軍駐留は違憲として7人に無罪を言い渡しました。伊達秋雄裁判長の名前から伊達判決と呼ばれます。
 伊達判決は次のように述べています。「わが国に駐留する合衆国軍隊はただ単にわが国に加えられる武力攻撃に対する防禦(ぼうぎょ)若しくは内乱等の鎮圧の援助にのみ使用されるものではなく、合衆国が極東における国際の平和と安全の維持のために事態が武力攻撃に発展する場合であるとして、戦略上必要と判断した際にも当然日本区域外にその軍隊を出動し得るのであつて、その際にはわが国が提供した国内の施設、区域は勿論この合衆国軍隊の軍事行動のために使用されるわけであり、わが国が自国と直接関係のない武力紛争の渦中に巻き込まれ、戦争の惨禍がわが国に及ぶ虞(おそれ)は必ずしも絶無ではなく、従つて日米安全保障条約によつてかかる危険をもたらす可能性を包蔵する合衆国軍隊の駐留を許容したわが国政府の行為は、『政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起きないようにすることを決意』した日本国憲法の精神に悖(もと)るのではないかとする疑念も生ずるのである。」「わが国が外部からの武力攻撃に対する自衛に使用する目的で合衆国軍隊の駐留を許容していることは、指揮権の有無、合衆国軍隊の出動義務の有無に拘らず、日本国憲法第9条第2項前段によつて禁止されている陸海空軍その他の戦力の保持に該当するものといわざるを得ず、結局わが国内に駐留する合衆国軍隊は憲法上その存在を許すべからざるものといわざるを得ないのである。」「安全保障条約及び行政協定の存続する限り、わが国が合衆国に対しその軍隊を駐留させ、これに必要なる基地を提供しまたその施設等の平穏を保護しなければならない国際法上の義務を負担することは当然であるとしても、前記のように合衆国軍隊の駐留が憲法第9条第2項前段に違反し許すべからざるものである以上、合衆国軍隊の施設又は区域内の平穏に関する法益が一般国民の同種法益と同様の刑事上、民事上の保護を受けることは格別、特に後者以上の厚い保護を受ける合理的な理由は何等存在しないところであるから、国民に対して軽犯罪法の規定よりも特に重い刑罰をもつて臨む刑事特別法第2条の規定は、前に指摘したように何人も適正な手続によらなければ刑罰を科せられないとする憲法第31条に違反し無効なものといわなければならない。」
 判例文の引用が長くなりましたが、日本国憲法に照らして、在日米軍基地の存在が許されないこと、基地内においても日本国民の人権が保障されなくてはいけないことを述べています。検察は東京高裁を飛び越えて上告(跳躍上告)し、最高裁は「高度に政治的な問題は、一見明白に違憲でない限り、第一義的には国会、内閣が、最終的には国民が判断する」と憲法判断を避けて破棄差戻し判決をしました。
 当時の日米両政府は、米軍の駐留は憲法違反だとする伊達判決に驚き、マッカーサー米駐日大使は田中耕太郎最高裁長官と「内密の話し合い」を持つなど、司法の独立を侵す重大な介入をおこないました。
 内藤弁護士のお話を聞いて、日米安保と基地問題が、憲法五原則=(1)国民主権と国家主権、(2)恒久平和、(3)基本的人権、(4)議会制民主主義、(5)地方自治、を侵害する根源的な問題であることがよく分かりました。憲法記念日を前に、このようなつどいで学習をすることができてたいへん有意義だったと思います。

沖縄と結び、日米安保と日本の進路を考えるつどい(1)

4月28日、「サンフランシスコ講和条約・日米安保条約発効60年~沖縄と結び、日米安保と日本の進路を考えるつどい」が、東京・明治大学で開催され、190人が参加しました。
オープニングは、東京のうたごえ協議会のみなさんによる演奏。
次に主催者を代表して、日本平和委員会代表理事の畑田重夫さんが開会あいさつをされました。
私が青年の頃、畑田さんが都知事選挙に革新候補として出られたことを思い出しました。ご挨拶のなかで90歳とおっしゃっていましたが、たいへんお元気でした。
講演は、元宜野湾市長の伊波洋一さんが、「いま、沖縄から訴える これからの沖縄と日本、アジア」と題しておこないました。
沖縄復帰から40年にもなるのに、沖縄の米軍基地がなぜ存続し続けるのかについて、日米安保条約の下で日本政府がまったくアメリカに対してものが言えない実態があること、4月27日の日米両政府による在日米軍再編計画見直しの「共同発表」にあたっては、当初25日に公表する準備をしていたものが、米上院軍事委員会のレビン委員長らが意見を出したために延期して文書が修正されるなど、まったく日本政府の意図しないところでものごとが決まっていくありさまが話されました。
住宅密集地にある普天間基地の危険な実態についてはこれまでも聞いていましたが、大型ヘリ墜落事故後に沖縄防衛局が作成した飛行航跡図を見ると、明らかに普天間飛行場の場周経路をはみ出して住宅地上空を旋回飛行しているのに、国は「場周経路飛行はおおむね守られていると考える」と言っていることには驚きました。
在日米軍基地は、アメリカの軍事的目的のために好き勝手に使われているのに、「抑止力」という言葉で日本の国民はだまされてきたこと、台頭する中国と米国の間で「台湾問題」をめぐって軍事的緊張が取りざたされたが、経済的にはアメリカも日本も中国との関係を強めており、軍事的衝突を避ける力が働いていることが話されました。2010年11月下旬のNHK日米安保特集アンケートでは、日米安保の将来像について、「日米同盟を基軸にする」が19%に対して、「アジアの国々と国際的な安保体制を築く」が55%、「防衛力を持たず中立を保つ」が12%を占め、日本政府がおこなっている外交・安全保障政策は、民意を反映していないことが示されました。
伊波さんは、日本政府が戦争国家アメリカへの従属をやめて、米軍基地を撤去させ、日米平和友好条約を締結する、そういう時期に来ていることを訴えました。

(次回につづく)
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第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞

先日届いた、DAYS JAPAN 5月号の特集は、「第8回DAYS 国際フォトジャーナリズム大賞」でした。
東日本大震災の被災者と世界各地で人権の危機に直面した民衆の姿がそこにありました。
http://daysinternational.net/jp/category/award/award_2012/

第1位 林典子「東日本大震災 混沌と静寂」

DAYS特別賞 岩手日報社(鈴木多聞、熊谷真也、横田真紀、山本毅、鹿糠敏和、三浦隆博、佐藤光、長内亮介)「東日本大震災 襲いくる津波」

第2位 レミ・オシュリック「リビア革命」 (オシュリック氏は受賞を知った直後、シリアで砲撃にあい亡くなりました。心からご冥福をお祈りします)

第2位 アレッサンドロ・グラッサーニ「モンゴルの環境避難民」

第3位 カイ・レッフェルバイン「ガーナ 若者を蝕む先進国の廃棄物」

第3位 大久保忠司「東日本大震災 まなざしの先に」

第3位 アレックス・マージ「イラク戦争 本当の犠牲者」

審査員特別賞 千葉康由「東日本大震災 津波が消し去った街」
       恒成利幸「東日本大震災 慟哭の海」
       深田志穂「東日本大震災 津波の跡に」
       ミロス・ビカンスキ「ギリシャの経済危機」
       エド・オウ「エジプト 若者とネットの革命」
       アリス・メッシーニス「リビア 最後の戦場スルトにて」
       リサ・ウィルツ「フィリピン スラムの炭焼き場で」
       グエン・デュボウトミュー「コンゴ民主共和国 魔術師にされて捨てられて」
       アティット・ペラウォンメータ「インドネシア 硫黄鉱山の労働者」

 私はこれらの作品を見て、過酷な現実のなかで懸命に生きる人々の姿に大きく心を動かされました。

 審査員講評のなかからDAYS JAPAN編集長・広河隆一氏の言葉を紹介します。
 「選考にあたって、改めてフォトジャーナリストとは何かと考えました。その状況を理解し、それに対して自分が何をできるか、どう責任をとれるかを常に自問自答する、それがフォトジャーナリストです。昨年は世界中で民衆の動きがあり、アラブ諸国では革命が、日本でも反原発のデモがありました。しかし、そこにある怒りとか鬱屈を無視して、絵になるところだけを撮るのではその名に値しません。フォトジャーナリストは写真の上手下手で判断されるべきではなく、「人間の生きる価値」をどこまで理解しているかにかかっています。・・・・(略)・・・・」

東日本大震災から1年 ~かけがえのない“命”~

 私は、昨年の3月11日は、東京で開催していた組合の大会中に震災に遭い、帰宅できない参加者の宿舎を探して確保し、本部の男性役職員は事務所に段ボールを敷いて一夜を明かしました。その間に、東北地方ではたくさんのかけがえのない命が津波にのまれ、津波から逃れた人たちのなかにも寒空の下で命を落とした人たちがいました。そしてさらに福島第一原発の重大事故が、出口の見えない放射能汚染の被害をもたらしました。
 私達はこのことを決して忘れないし、今なお続く被災地の困難と被災者の苦しみについて考え行動しなければいけないと思っています。私はこの一週間の仕事の忙しさで、ブログに書き残す言葉を考える時間を持てずにいましたが、いま静寂のなかで思いをめぐらしています。
 大震災と原発事故を受け止め、考えるために、私の手元にある3冊の本を紹介します。
 一冊目は、『命が危ない 311人詩集 -いま共にふみだすために-』(編者:佐相憲一、中村純、宇宿一成、鈴木比佐雄、亜久津歩)です。543頁におよぶこの詩集は、第1章・こども、第2章・仕事、世の中、第3章・動物、草花と共に、第4章・自死ということ、第5章・病気も老いも生きぬいて、第6章・農村、山里にて、第7章・レクイエム、第8章・戦争と平和、第9章・歴史と自由、第10章・考える、感じる、第11章・東日本大震災・津波など、第12章・原発、第13章・願いと祈り、結びの詩、解説・あとがき、で構成されています。この詩集を買うきっかけになったのは、DAYS JAPAN 3月号の特集「詩と写真による3.11 鎮魂歌から続く世界」を読んだこと。そこに紹介された詩は、詩集に掲載されたものと一部異なりますが、心に響いた詩人の作品をあたってみました。結城文さんの「3・11」、名古きよえさんの「風にゆれて」、福田操恵さんの「海を見つめる少女」、酒井力さんの「水のいのち 放射能汚染を憂える詩」、どれも津波と原発事故の本質を浮き彫りにする詩人の感性が伝わってきます。そして、未来への希望である赤ちゃんと私達おとなの責任を詠んだ空色まゆさんの「種蒔き」がとてもいいと思いました。
 二冊目は、『これでわかる からだのなかの放射能』(安斎育郎著)です。放射性物質の大気中への飛散と海への流出によって、大気と水が汚染され、植物が汚染され、すべての動物が放射能被曝の危険にさらされています。放射線量の測定は多くの場所で実施されるようになりましたが、食物に潜在する放射能による内部被曝については、未知の部分が多いです。小さいこどもを持つ親にとって最大の心配事です。本書では、放射性物質の種類によって異なった影響があることを解説し、健康被害を避けるためにできることを例示しています。原発事故によって飛散した放射性物質は自然界にある放射線とはまったく異質の危険性を持っています。自然界の放射線の話を持ち出して心配ないという無責任なことは通用しません。具体的で説得力のある本書が広く読まれることを期待します。
 三冊目は、『人間と教育』73号(編集:民主教育研究所)特集・東日本大震災と日本の教育です。子どもたちを震災から守り、放射能から守るための学校と教育の課題について考えさせられます。大企業の利益優先の社会は、子どもたちが生きる「地域」をおろそかにしてきました。津波で破壊されてしまった「地域」を再生する拠点としての学校の役割はとても大切だと思います。そして教育の課題もまた地域社会の再生を軸に、考え直していかなければなりません。
 紹介した3冊の本をざっと斜め読みしただけですが、私は、1冊目に紹介した『命が危ない 311人詩集』の解説として佐相憲一さんが書かれた次の文章が、震災後のいま考えるべき“命”の視点だと感じましたので、最後に紹介します。
 ~「命」には二つの側面があって、一つは物質的な肉体の生命、一つは内面的なこころの生命、です。そのどちらも不安な現代生活と言えましょう。昨今の健康食ブームは、…(中略)…「高度経済成長」「バブル経済」を経て崩壊したこの国の経済「成長神話」後の新たな価値観の模索、などを反映しているとも言えるでしょう。また、巨大な商業社会で「人と人とのこころのふれあい」の喪失が、苦しい経済状況や教育の荒廃とも相まって、さまざまな「こころの病」を生みだしています。いじめ、児童虐待、ひきこもり、家庭崩壊、正社員になれない若者の自信喪失、過度の競争社会におけるサラリーマンのストレス症状、孤独死、介護疲れからくる自殺や他殺、など。こうした暗い世の中でも、日々何とか明るく頑張って生きておられるというのが多くの人々の実感かもしれません。「命」をキーワードにして見つめると、この社会のあり方も根本的に考え直さないといけないのではないかと言わざるをえません。~(佐相憲一「解説1 命の声の詩集です」から抜粋)
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